第23回インタビュー:起業の起点となる出来事とは
――春という季節もあり、今回は印象に残っている宮さんの「出会いと別れ」についてお話を聞いてみたいと思います。今までで一番印象に残っている「出会い」というのはありますか?
印象に残っている出会いというよりは、活動の方が思い浮かびますね。
――活動ですか?
そう活動。
起業した時から色々な人と出会って、一緒に大人数でイベントをして、その中からコラボをする人も現れて、少しずつみんなが成長していき、それぞれの道を歩み始めて別れるという流れです。
これをなんという言葉にするのがいいのかは分からないんだけどね。
起業して最初に取り組んだのはマルシェでした。マルシェをしていく中で、自分のやりたいことが明確になっていった、という実感があります。
だから印象に残っている出会いは、特定の誰かではなく、その当時に出会った方々ですね。お互いに支え合いながら、続けてくることができたと思っています。
――新しい世界に飛び込んだ時の出会いは、特に印象に残るものですか?
初めて新しい世界に飛び込んでいった時の印象はとても強く残ります。
新しい世界に自分から踏み出していくからこそ、そこに出会いが生まれるのだと思います。勇気のいることでもありますし、その先の世界で隣に座った人や、たまたま帰り道が一緒になった人と話すこともあって、そういう積み重ねで少しずつ関係ができていくものだと感じています。
ただ、仕事をしていると、物理的に距離が離れてなかなか会えなくなったり、環境の変化で会えなくなることもあります。そうした中でも、気がついたら10年、20年と関係が続いているご縁があるというのは、とても面白いことですよね。
最近知り合った人でも10年続けば、気軽に旅行に行こうという関係になっているかもしれません。
――それは、これまでの経験があるからこそ、新しく出会った人たちにも期待が持てるということですね
そういうことだと思います。

私が起業したのは2010年で、その時に出会った人たちの中には、今も関係が続いている方がいます。
出会った当時は、そこまで長く続く関係になるとは思っていなかったのですが、振り返ってみると10年以上の関係になっていて、一緒に旅行をするような関係になっていることが、とても面白いなと感じています。
――起業したばかりの頃は、そこまでのご縁になるとは思っていなかったのですね
そうですね。そこまで人と深く関わるようになるとは、当時は想像もしていませんでした。
でも、その方たちとの出会いがあったからこそ、ここまで続けてこられたのだと思いますし、一緒に歩んできたという感覚があります。
――その方たちとの関係は、どのようなものだったのでしょうか?
一緒に勉強し合える、生涯学び続けられる仲間という関係です。
技術やセッションにおいても、自分自身が学び続けていくことが必要なので、その過程を共にできる存在はとても大きいですね。
仲間がいたからこそ、大変な時期を乗り越えられたのだと思いますし、これまで続けてこられたのだと思います。
――なるほど。こういう話が聞けるとは思っていなかったです。
どういう話になると思っていたの?
――例えば人生の師匠との出会い、のようなでしょうか
師匠か……確かに、師匠との出会いも大切な出会いの一つですよね。

実は、20年ぶりに師匠にお会いする機会にも恵まれました。それは「似合うメガネ」を教えてくださったコーディネーターの先生です。催事のお仕事で、同じくコーディネーターとして現場をご一緒することができたんです。
その時は、とても感動しました。
ただ、師匠と出会うためには、自分の中にそういう想いや準備が必要で……。そういう意味では、今お話しした人たちとの出会いがなければ、そこにたどり着いていなかったと思います。
――出会いにも順番があるということですね
そうですね。
師匠との出会いでいうと、アドバンスカラーセラピーの先生との出会いがきっかけになって、その先の学びへとつながり、さらに次の出会いへと広がっていった、という流れです。
――学びの順番としては、最初はメガネからだったのでしょうか?
そうですね。
一番最初はメガネ屋さんに勤めて学び、その後、起業のタイミングでアドバンスカラーセラピーを学びました。もともと色への関心が強かったのかもしれません。
そこで師匠と出会い、仲間と出会い、少しずつ起業が形になっていったという感じですね。
――起業の最初の場所についても教えてください
あれはご縁ですね。
どこでサロンを開けばいいのか分からず、いろいろな場所を見て回っていました。
そんな時に、たまたまスポーツ観戦のイベントに誘われて行った場所が、レンタルオフィスパズル芝浦のラウンジだったんです。
当時はまだレンタルルームが始まったばかりで、勝手も分からない中、「ここで使わせてもらえますか?」と聞いたことが始まりでした。ちょうど震災後という時期でもあり、「自由に使ってください」と言っていただけたんです。
今考えると、とても珍しいことですよね。ラウンジを貸し切ってメガネの販売をするなんて。でも、それができたことで「ここでやってみよう」と思えて、サロンをスタートしました。
――他の場所も探していた中で、ご縁で決まったということですね
そうですね。でも、あの場所で始めたからこそ、そこで出会った方々とのつながりが生まれて、今につながっているのだと思います。
――もし行動が少し違っていたら、出会えなかったかもしれませんね
そうですね。本当にそう思います。
特別な出会いや別れがあるというよりも、それぞれがそれぞれの環境の中で生きていて、その中でたまたま出会って、また環境が変わって距離ができて、それでもどこかでつながっている。そういうことを、何度も繰り返しているような感覚ですね。
――今のサロンの場所についても教えてください
レンタルオフィスパズル芝浦があったビルが建て替えになることになり、移転を考えることになりました。どこでも開くことはできたのですが、これまで来てくださっていたお客様との記憶を大切にしたいと思い、今の場所を選びました。

線路の反対側にはなりましたが、ですがサロンに来るまでの道のりの途中で東京タワーが見えるんです。それも一つの象徴のように感じています。自分の成長を感じる景色でもありますし、私にとって東京タワーは、ここまで来られたという一つのシンボルになっています。
――空間も少しずつ変化していますよね
そうですね。最初はレンタルオフィスのラウンジを必要に応じて借りてましたが、やがて個室会員になり、今ではプライベートサロンになりました。空間も少しずつ変化してきていますし、それと同時に、自分自身もきちんと積み重ねてきたのだと感じます。
振り返ると、パズル芝浦との出会いがすべての始まりだったのかもしれませんね。人との出会いもパズルみたいに繋がって。



