第16回インタビュー:宮キヌヨの目指しているものとは
――今回は改めて宮さん自身について聞いていきたいと思います。日々忙しく活動されていますが、今も継続して勉強をしていることはありますか?
メガネのフィッティングと茶道とアドバンスカラーセラピー、ナチュラルメイク、後は心理学と哲学です。
ずっと勉強をしていることは変わらないですよ。
――なるほど。ですが、フィッティング、カラーセラピー、メイク、心理学、哲学は、今のお仕事に関連していると思うのですが、茶道は何のためにされているんですか?
茶道のお稽古をし始めた最初のきっかけは所作でした。
メガネって、道具を使いますよね。どうしても手荒なように見えがちなんです。フィッティングをする時も、忙しい時に工具を机にバンっと置きがちだったので、茶道を習って所作を学ぼうとしました。
ですが、茶道の世界って所作もありますが、実際はおもてなしだったり、宇宙の話に繋がっていたりするんです。

――宇宙の話に繋がるんですか?
お茶室は宇宙みたいです。精神的な学びもあり、自分と向き合うところにも通じていると感じます。
茶道の時間は、アクセサリーをすべて外すのですが、すべて外すということはどういうことなのか、逆にアクセサリーを身に着けるとはどういうことなのか。アクセサリーを着けている時のエネルギーと、着けていない時のエネルギーの種類が違うとか、お稽古から新しい発見があるのが面白いんです。
だから、茶道のお稽古で何を学びに行っているのかと聞かれると難しくて。一回一回にすごく学びがあるので、自分がどう感じるのかを毎回楽しめる不思議な世界なんですよね。
本当に深いですよ。
――そうなのですね。では、今継続している習い事は全て今後も続けていくということですよね
そうなりますね。
――なるほど。では、最近始めたこと、もしくは始めたいと思っていることはありますか?
ギターと英会話と言いたいところなんですけど、今のところ、言っているだけになっています(笑)
――なぜ、この二つなんですか?
次の自分のライフスタイルを楽しくしていきたいと思っているからです。
――ライフスタイルですか。ギターは何となくわかるのですが、英会話もですか?
日本を出て色々な文化を見たいと思っているんです。海外へ行くなら、少しでも話せた方が良いですよね。だから、英会話を習いたいと思っています。
海外の文化を見て、海外から見た日本の文化も改めて見てみると、きっと今の視点とは違ったものになるだろうなと思うと、とてもワクワクします。
――いいですね。
あと、着付けも出来るようになりたいなと思っています。自分で着物をきれないのに、茶道をやっているとは言えないんですよね。
着付けもちょっと習っていたんですけど、唯一続かなかったんですよね。
――何が続かなかった理由なんですか?
私、不器用なんですよ。帯が中々上手にできなくて。それで数ある選択肢の中で、一回辞めようと決めました。
――今はお茶に行っている時は、着付けてもらっているんですか?
先生に着物を着ることができないと伝えたら、先生が稽古着を教えてくださいました。初釜の時は、着付けの先生に着付けていただいて着物で行っています。
――着付けも出来るんだと思っていました
いえ、私にもできないことはありますよ。だけど辞めないで続けていると、やっぱり自分で着付けられるようになりたいので、改めてチャレンジしたいと思っています。

――話は少し変わるんですけど、8月に行っていた「メガネお悩み相談会」のイベントは1年に何度かしていますよね。そういったイベントをするごとに見えてくるものってあるんですか?
ありますよ。やっぱりメガネと心の関係は面白いな、みたいな。
――それは人によって違うからですか?それとも時代によって違うからですか?
うーん、多分私自身の視点が学びを通じて変わっていくからだと思います。トークの内容も変わっているので、引き出せるものも増えていっているというか。それに、昔はぼんやりこうなのかなと思っていたことが、確信に変わっていくということもありますね、続けていると。
技術面でも視力検査の仕方が明らかに変わりました。
視能訓練士をとって、眼科でもお手伝いをさせてもらっていて、それが今の私に繋がっています。だからこそ、昔よりも「目を大切にしましょう」というメッセージがすごく強くなりました。
――見えない状態で放置していると、余計に目に悪いんですよね?
そう、目が疲れてしまいますからね。もちろんみなさん、目は大切にしていますとは言うんですが、どう大切にしているのかが大事だったりします。人によって環境が違いますからね。
その辺りも説明をして、パーソンに合ったメガネを提案していくということも大切にしています。
――話はまた変わるんですけど、次にステージアップするとしたら、その時は年齢的には55歳ですか?
55歳の時はステージが上がっていると思います。今まで続けてきたものが、確実に自分の身になっているというのを感じていますし、必要としている人たちにきちんとフィードバックできるようになっていると感じています。
と、思うんですけど、なんていうのか、私の場合は向こうから迫ってくるというか。そういう流れがきて、周りからやりなさいと言われるというのが巡ってくるんです。不思議ですけれど。たぶん、もたもたしているから(笑)
だから毎回、一回は混乱して成長していくのが、大体の私のパターンです。

――ということは、10年前の宮さんからすると、今の宮さんは想像できていなかったということですか?
想像できていないです。想像以上になっていますよ。
――10年間、上から降ってくるものをこなしているうちに、ここまで来たという感じですか?
そうそう。それでいいと、その当時から思っています。何のためにそれをしなくてはいけないのかとかの疑問が、私の中で生まれることもありました。それを、今回話した習い事の中で、壁打ちのように自問自答を繰り返していて、ゆっくり答えを導いていったという感じですね。
――ここまでお話を聞いてきたんですけど、あらためて今の宮さんは、どういう人になろうと思っていますか?
メガネを嫌われ者にしない人、そして新しいメガネの世界を伝えていく人になりたいです。そのためにできることを、今はやっている感じですね。
こうやってインタビューを受けていても、ますますそういう思いが強くなりました。
私は多分、メガネの世界に出会っていなければ、メガネが嫌いな方だったと思うんですよ。メガネをかけたくないとか、老眼といつまでも戦っている側の人だったんじゃないかって。 ですが実際は、メガネと縁があって、勉強をしたことによってそうはなりませんでした。メガネがきっかけで自分と向き合うことが沢山出来たんです。この思いを、一人でも多くの人に伝えていくのが、私の使命だと思っています。メガネがプレゼントしてくれること、陰を光にしてくれます。



