第10回インタビュー: 毎月行っているメンテナンスデーの必要性

――メガネのメンテナンスデーって定期的にしていますよね。実際、メガネってどれぐらいの頻度でメンテナンスをしたほうがいいんですか?

とってもいい質問ですね。
ねじ緩みもあると思うので半年に1回ぐらいがメンテナンスをした方が良いと思います。

――とくに踏んだりしていなくてもですか?

メガネをかけたり外したりすると、多少は歪んでいくものなんです。すごく丁寧にメガネを扱っている方で、1年に1回のメンテナンスで、このレベルを保っているんだという人はいますが、かなり稀ですね。

メガネは鼻パットも消耗しますし、汗汚れもありますし、最低でも1年に2回はメンテナンスをしてほしいですね。サロンに来ていただければ、超音波で洗って、鼻パットを交換して、ネジを締め直して、ちょっと歪んでいるところをお顔のサイズにきちんと合わせてということをします。

ですので、繰り返しになりますが、メンテナンスは1年に2回。半年に1回は、メンテナンスをしに来てほしいです。

――メンテナンスをせずに放置していると、壊れやすくなったりしますか?

なりますね。
今年はすごく修理の依頼が多かったんですよ。みなさんにちゃんとメンテナンスをしましょうって言っているつもりなんだけど、私の思い届いていないんだなって反省しながら修理をしていました。

――メガネってどういうところが壊れるんですか?

ネジが緩んでテンプルが外れちゃったりとか、人とぶつかったり踏んでしまって歪ませたりとかということがあります。

――そういうところが壊れるんですね。レンズは変える必要はないんですか?

レンズももちろん変えます。ただ当サロンのレンズは、すごくいいコーティングをしているため、度が進んでいなければ3年ぐらいは快適に使えます。

昨今はスマホやパソコンを使っているので、2、3年で度が変わることが多く、視力検査も1年に1回は行って、度を確認したほうが良いと思います。

――健康診断みたいな感じですか?

そうそう。現状を知っておくことで、レンズ交換をする時に変化の過程があると分かりやすいというのがあります。

20年30年とお付き合いのある方のカルテを見るのは、すっごく面白いですよ。

――そんなに変わるんですか?

変わるんですよ。年齢とともに変わって来たなというのを時系列で追えるので、すごく面白いものがあります。

――きっと人によって変わり方が違うんですよね

そう、安定している人もいれば、ころころ変わる人もいます。

――ころころ変わる人って、普段の生活が問題なんですか?

ピンポン。そう、やっぱりね生活習慣って比例しているなって思います。それが良いとか悪いとかではなくね。生活ってさ、自分にしか分からないから、比べようがないじゃないですか。だから、生活のあり方と目がリンクしているのかは、自分ではわかりにくかったりするんですよね。

そういうのを客観的にこうですよって、お伝えするのも意味があると思いますし、この仕事が続いた一番の理由はそこにあると思いますね。

お勤めしていたお店での体験が今の仕事に繋がっています。私は始めましてのお客様でも、お店に20年30年来て下さっているお客様がいて、そういう人の対応をする時は店長からこういう人なんだよと教えていただいたり、お客様のこれまでのデータを見て接客をしていました。その時に目の歴史って面白いと思うようになり、今の仕事のきっかけになっています。

そうした背景があるので、フレームのメンテナンスとあわせて、1年に1回定期的に検眼をするのは、本人が目を大切にしようという意識づけにも繋がるので大事だと思っています。

――なるほど、そんな風には考えたことはありませんでした

検眼とかメンテナンスとかで訪れるのは何気に面倒くさかったりするじゃない。でも、目が伝えてくれる者はあるんです。1年に1回、自分の目がどういう状態にあるのか、メガネのメンテナンスに来られた方にも話したりしているんですよ。

――メンテナンスの時に、そういった話もしているんですね

サロンに来た時は、いろんな話をします。アドバンスカラーセラピーもしますし、目の話、メガネの話とか、自然としていますね。

――そうなんですね。ここでメガネを買った人で、メンテナンスデーに来ていない人は、本当に来た方がよさそうですね

そうちゃんと来てください。ちゃんとね^^

――少し話を変えましょう。以前、メガネは1本じゃなくて何本かあった方がいいとか、定期的に新しいメガネを買った方が良いとか言っていたと思うんですが、それがなぜなのかを改めて教えていただけますか?

分かりやすく言うと、メガネも消耗品だからというところがあります。コーティングもすり減って行くし、メガネも使っていると金属疲労を起こしていくため、いつかはポキっと折れてしまうところはあるので、ある程度のサイクルで新しいものを買う必要があります。

いくつかメガネを持つ理由は、1つのメガネで全てを満足させることができないという点です。いつも、1番使うメガネを7割から8割ぐらいの満足レベルにすることで、一番疲れないメガネになるとお伝えしています。

あれも見たい、これも見たいというのを、1つのメガネに収めようとすると、(度を決定するのが難しく)かえって使いづらいメガネになってしまうからです。

例えば、コンサートとか演劇を見る時に使いたいメガネは遠くをくっきり見たいという要望が出てくるので、日常用より度が強いメガネになります。度の強いメガネを日常で使うと、目も疲れてしまいますよね。だから日常用は7割、8割ぐらいの満足レベルの視界にしておいて、残りの2割、3割の特別なシチュエーション用のメガネも必要になってくるということです。

――なるほど。確かにコンサートや演劇を見る時のメガネを日常使いは出来ないですね

でしょ。あとはデスクワーク用のメガネと日常用のメガネを別にする人もいますし、サングラスが欲しいという人もいますし…。そうしていると、やっぱりメガネは3本、4本と増えていきます。それに、メガネをファッションセンスで楽しみたいと思うようになったら、また別のメガネが増えていきますよね。

――そう考えると確かに1つじゃ足りませんね。理解しました。ありがとうございます。では、次の質問なのですが、宮さん自身がメガネを新調しようと思う時は、どういう時でしょうか?

私が新調する時は、多分他の人より特殊じゃないのかな?

新しい考えを生み出したい時とか、このメガネはどういう風にしたら似合うのかなとか、誰に似合うという風になるのかなとか考えますね。

――誰に似合う?

面白いデザインのメガネを見つけた時に、純粋にかけてみたいと思うんだけど、それだけではなくて、このメガネはどういうシチュエーションでかけたら力を発揮するのかなという風に考えるんです。

メガネが似合うシチュエーションがイメージ出来たら、じゃあすでにそのシチュエーションにいる人は、このメガネが似合うっていう事ですよね。だから、誰に似合うのかを考えるということです。

――メガネと出会った時に、そう考えるという事ですか?宮さん自身が、そろそろ新しいメガネが欲しいなという気持ちが先ではなく

もちろん、そういう時もあります。

他にも、こういう時もあります。
例えばこういう猫っぽいメガネってあるんですけど、可愛いと思うけど買わないでしょ?インテリアとして置いておく分にはいいかもしれないけど。でも、このメガネがどうしたら人気者になれるのかなっていうのを考えていて、いきついたのがパソコン用のメガネだったんです。それでパソコン用に売り出してみたら、可愛い可愛いってみんなが言ってくれたんですけど、でも「私は無理」って言うので、じゃあ一緒に楽しもうというのを考えました。

それが、ZOOMです。ZOOMって、自分の顔も見ながら話すという不思議な世界でしょう? だから最近は、私自身がZOOMでこのメガネをかけたりしています。そしたら好評で。こういう風に、どうやったらみんなが受け入れてくれるのかな、というのも探求しています。

――確かに、宮さんのメガネを見る角度は、他の人とは違うみたいですね。では、次の質問なのですが、目やメガネのことって深く知ろうとすると、専門的なことに入っていくので難しいですよね。でも、私たちでも理解しておいた方がいいレベルは、どのレベルぐらいなのでしょうか?

目って、個人個人で全く違うものです。例えば、近視、遠視、老眼って実感があるわけじゃない? だからその実感だけわかっていればいいと思う。それ以上のことは、本当に専門的な話になるので。例えば40代を過ぎると、老眼の初期状態に入る人がいます。こんな風に今後はなる事が想定されますよって思いながら検眼をしているので、それを本人に伝えています。

目というのは、結局100人いたら100通りになりますし、1000人いたら1000通りの状況になるので、何かを感じたら些細な事でも聞いてほしいですし、それに対して個々にお答えします。ですので、遠慮せずにメガネのメンテナンスデーに来てほしいです。

――話がメンテナンスデーに戻りましたね

そうそう(笑)
私がメンテナンスデーを設定しているのは、みなさんに気軽に聞きに来てほしいと思ってしていることなんです。

――なるほど。話を戻しますけど、お客様側が理解しておいた方がいいことというのは、自分の目の見え方などが依然と違ってきたなという感覚を見逃さないでおくということですか?

そうそう。それに変化がなかったとしても、今回は何もなかったって言われたわっていう感じでいいんです。メガネの健康診断みたいなイメージで。目の健康診断って言っちゃうと、病気のこととかも入ってくるので、私では言えないことも沢山出てきますが、メガネの健康診断であれば言えることがあるので。

――確かに、目の健康診断とメガネの健康診断では意味合いが違ってますよね

そうでしょ。「メガネがちゃんと合ってますか?」ということを聞けるし、かけ具合も変わっていくので、1年使ってみて、「まだ合ってるかな?」という感じで来てもらえると良いですよね。

2025年はメンテナンスデーも大事なんですよということを、改めて伝えていこうと思います。